法律の素人が登録品種と商標登録を調べてみた!!フリマサイトのアレは…

こんにちはこんばんは。今回の記事は…いつもとちょっと趣向を変えて、植物ネタのような、そうじゃないような、ちょっと真面目なネタ。…いや、いつも不真面目ってわけじゃないですよ。

デンドロビウム・ファンシーエンジェル”リセ”
デンドロビウム・ファンシーエンジェル”リセ”

蘭の購入をきっかけに、ちょっと法律を調べてみたよ。ってこと&それを自分なりにまとめたよって記事です。

※素人が自分なりに法律を調べた記事です。種苗法や商標法を運用する場合は、しかるべき官庁や専門家にご相談ください。

世界らん展2024で購入したデンドロビウム

今年の2月に東京ドームシティのプリズムホールで開催された世界らん展2024。

そこで蘭を買いました。

デンドロビウム(デンドロビューム)・ファンシーエンジェル”リセ”。日本一、いや世界一のデンドロビウムナーセリー、山本デンドロビューム園さんのデンドロビウムです。

デンドロビウム・ファンシーエンジェル”リセ”
デンドロビウム・ファンシーエンジェル”リセ”

調べたところデビューは2007年頃。育てやすく、花つきが良くて、花もちもいい人気品種だそうです。

瀬戸内オーキッドさんのブースで購入。小ぶりの花ですがボリュームがあり、やや上向きに咲くので、見下ろしても花が良く見えるので観賞価値が高いそうな。

ラン栽培は初めてなので、蘭の目利きとかは全然できません。この品種は特に珍しいわけでもないようで、そこらの花屋さんとかでも見かけます。わざわざ世界らん展で買わなくても…って感じですが、やはり初心者がいきなり難しい品種に手を出すわけにもいけないので、これはこれで良かったかなぁと。

んで今回の記事の本題はここから。

このデンドロビウムの商品ラベルに書いてあるコレ↓↓↓

登録品種:16393号
登録品種:16393号

登録品種:16393号

以前、というかかなり昔にバイト先で登録品種って聞いたなぁと。種苗開発の活発化を目的に、法律でその品種の育成者の権利が保護されている。って感じだったと思います。登録品種を勝手に増やして販売、譲渡することや、同じ交配式で交配した植物を販売、譲渡することが法律で禁止されています。(って聞いた)

そん時のバ先は、花苗や庭木を扱ってたんで、例えば大手種苗メーカーのカネコ種苗さんとかが、たくさん登録品種もってるとか聞きました。

購入したデンドロビウムにも登録品種って書かれているし、そこでこの「登録品種」といったものを調べてみました。

品種登録制度

登録品種は種苗法に基づいていて、管轄は農林水産省。

私なりにまとめると、そもそも植物の新品種開発には、たくさんの時間と労力がかかるため、その開発した新品種の育成者の権利を、種苗法で保護するのが「品種登録制度」です。品種登録制度に登録された品種が「登録品種」ってことになります。

んで、品種登録制度により発生した育成者権がどういったものかというと、

育成者権者は登録品種の種苗、収穫物及び一定の加工品を独占的に利用※することができます。したがって、育成者権者以外の人は育成者権者の許諾を得なければ登録品種を利用することはできません。登録品種の増殖を行う場合は、育成者権者の許諾が必要です。

※ 種苗の「利用」とは、種苗の生産、調整、譲渡の申出、譲渡、輸出、輸入又はこれらの行為をする目的をもって保管する行為をいう。

農林水産省より抜粋

↑↑↑上記リンクに品種登録制度と、育成者権が分かりやすくまとめられています。

農林水産省のホームページでは、登録品種が簡単に調べられます。

まずは、農林水産省の品種登録データ検索でデンドロビウムの登録品種:16393号を調べてみると…

登録品種:16393号
登録品種:16393号

うん。しっかり登録されてますね。

登録品種:16393号
登録品種:16393号

ファンシーエンジェル”リセ”の登録年月日は2008年。2007年から販売されていたっぽいので、販売開始時は登録出願中だったんでしょうね。

育成者権に”一定期間”とあるように、登録品種育成者の権利が保護されるのは有限です。デンドロビウムの場合は、一般的な植物にあたるので、最大25年の育成者権の保護期間があります。このファンシーエンジェル”リセ”の育成者権を最大まで存続させた場合、2033年3月6日まで育成者権が存在していることになります。少なくとも記事執筆時点では育成者権は消滅していません。

つまり今現在、このデンドロビウムを自分で勝手に増やして販売すると、育成者権の侵害になります。

このサイトによると、改正法が施行される2022年3月31日までは自家増殖が可能だったようです。現在は権利者の許可なく自家増殖した苗を販売、譲渡すると育成者権の侵害になり損害賠償、故意の場合は刑事罰が科せられます。

デンドロビウム以外、他の植物の登録品種にも、がぜん興味が出てきました。

そこで実際、他の植物の登録品種が個人間でどのように売買されているかというと…

例えばこちらのショウタロウブログさんで書かれている、紫陽花の「万華鏡」ですが…確かに某大手フリマサイトで検索するとたくさん出てきます。ですが、販売されている苗すべてが自家増殖されたものでないかは…ちょっとよくわかりません。

……今回のネタは触れてはいけないものに触れてしまったような気がします。

※この記事は違法行為を容認したり、助長することを意図したものではありません。あくまで園芸を楽しむ皆様に対し、注意喚起を促すことを目的としたものです。

多肉植物でも調べてみた

さて、登録品種がどういったものか、なんとなーくわかったところで(繰り返しますが、素人が調べたことです。法律の運用は専門家にご相談ください)、当ブログでよく登場する多肉植物でも調べてみました。

サボテンは…属がたくさんありすぎるので、ひとまずエケベリア(Echeveria)で登録品種を検索…

エケベリア登録品種検索
エケベリア登録品種検索

ヒットせず。該当なし。

盛んに草フリマされているエケベリアには現在、登録品種は無いようです。

続いてセダム。Sedumで検索してます。Echeveriaもなんですが、日本語表記だとブレがあるので学名で検索した方が確実です。

セダム登録品種検索
セダム登録品種検索

こちらはヒットしました。該当アリ。セダムは増えやすいので、うっかり登録品種を増やして売買しないように注意しましょう。

現在人気のある多肉植物であるエケベリア。上にも書きましたが、大手フリマサイトやオークションサイトで盛んに取引されていますが、登録品種は無いようです。

じゃあ自分で増やして売り放題じゃん。ってなりますが、ちょっと待テ。

それってホント?

商標登録

植物の育成者を保護する法律は、種苗法以外にももう一つあります。

それは商標法による商標登録です。

こちらは植物…というより商品の権利の保護を目的としたものです。管轄は特許庁。

商標登録の権利者、商標権にはこのような権利があります↓↓↓

商標登録がなされると、権利者は、指定商品又は指定役務について登録商標を独占的に使用できるようになります。また、第三者が指定商品又は指定役務と同一の商品又は役務に自己の登録商標と類似する商標を使用することや、第三者が指定商品又は指定役務と類似する商品又は役務に自己の登録商標と同一又は類似の商標を使用することを排除することができます。

特許庁より抜粋

こちらは登録品種と違って無期限です。10年ごとに更新をすれば、いつまでも権利を維持することができます。また、登録商標は登録品種名と、同一にすることができません。

登録商標にはⓇ(アールマークとかいうやつ)がついてたりしますよね。このマークは日本の法律では、表記が義務付けられていません。逆の言い方をすれば、Ⓡがなくても商標登録されている場合があるってこと。

んで、多肉植物好きの方、このⓇマーク見たことありませんか?いや、ありますよね?

そう、ミックスベリアⓇです。

私は現物を育てていないので画像はなし。

現在超人気&有名なおらいさんのエケベリア等の交配種、ミックスベリアⓇです。

ミックスベリアⓇ

登録商標も登録品種同様、簡単に調べられます。

検索は特許庁の特許情報プラットフォームから。

ってことでミックスベリアを検索!

ミックスべリア登録商標検索
ミックスべリア登録商標検索

おぉ…。商標登録されていますね。…当たり前か。

ミックスべリア登録商標検索
ミックスべリア登録商標検索

登録日は2018年。意外と最近。

つまりですね…何が言いたいかというと…

自家増殖したミックスベリアを販売すること

ミックスベリアの名称で多肉植物を販売すること※購入したミックスベリアそのものを販売する場合を除く。

この二つの行為は商標権の侵害にあたり、処罰の対象になる可能性があるということ。たぶん。(法律の素人なので断言はできない)

自家増殖したミックスベリアをミックスベリアと表記して販売するのは、完璧にアウト…だと思います。(たぶん…法律の素人なので…以下略)ミックスベリアと表記しなくても、たぶんアウトです。

でも、多肉植物って増えちゃいますよね?営利目的で、故意にミックスベリアを自家増殖して販売した場合は、罰せられてしかるべきだと思います。ですが、個人が増えちゃって育てられなくなったミックスベリアの余剰株を、他人に譲るのも…商標権侵害…になるのか?…なりそう。…なるよね。たぶん。そういう法律だもんね。う~ん。

例えば、ハイブランドのバッグの偽物を販売したとして、処罰される理由は”偽物を販売したこと”ではなくて、”権利者の商標権を侵害したこと(ブランドのデザインやロゴ、マークを無許可で使用したこと)”が理由だもんね。

いや…さぁ…某大手フリマサイトには…ミックスベリアって…

※繰り返しになりますが、この記事は違法行為を容認したり、助長することを意図したものではありません。あくまで園芸を楽しむ皆様に対し、注意喚起を促すことを目的としたものです。

まとめ

まとめです。植物の品種育成者の権利を保護する法律は、2つあります。

  • 種苗法による登録品種
  • 商標法による登録商標

フリマやオークションサイト、アプリの普及によって、個人間の売買はずいぶん一般化しました。うっかり他人の権利を侵害しないように、注意して園芸を楽しみましょう。

それでは。


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