突然ですがみなさん、アルカリ性が植物の生育に悪影響があるって知っていますか?そしてセメントやコンクリートってアルカリ性なんです。じゃあ、セメント鉢ってアルカリ性なの?どうなんじゃ?
という園芸界永遠の問題を取り上げるポストです。身近な材料を使って簡単な実験をしてみましたよ!ちなみに結論は、植物の生育に問題ない!または問題が無いようにできる!です。
セメント鉢はアルカリ性なのか?
前回の記事でセメントについてちょっと触れました。記事の最後の方↓
植物の生育に悪影響があるアルカリ性の石灰石。セメントやコンクリートの主原料です。セメントの石灰分が水に溶けだし、土壌(用土)にしみ込むことでアルカリ性になる。と、いわれています。
普通に考えれば植木鉢の素材にセメントを使うと、用土がアルカリ性になって植物に悪影響がありそうですよね?ところが…
こちらのブログ、BOTANICAL JOURNALさんがセメント鉢のPHを図る実験をしておられます。
この実験ではセメント鉢は中性です。ブログの中でも触れられていますが中性の要因は、
ちなみにコンクリート鉢が中性化するのは約半年だといわれています。
コンクリートは打設後、急激に水分が抜け始め、約半年で80%の水分が抜け、以降性質が安定することが実証されています。
水分が抜けることで酸化すると考えると、中和されるのが半年というのはあながち間違っていないかなと。
製造から流通まで半年以上たっている鉢は中性で、植物の栽培に問題ないといえると思います。そして製造したての鉢が店頭に並ぶのはまれだと思われます。
なぜアルカリ性は植物の生育に悪影響なのか?
植物=アルカリ性が苦手な感じの見出しですが、実際は、
弱酸性土壌を好む植物が多い。です。植物の好む土壌は種類によって異なり、アルカリ性土壌を好む植物もいます。適応できない土壌では植物は栄養分をうまく吸収できず、栄養素の欠乏症になります。
一概にアルカリ性=ダメってわけじゃないんですけどね。
自然の土中のアルカリ性を左右するのはカルシムなどのミネラル成分です。日本では雨によってミネラルが流され、多くの土壌が弱酸性になります。そもそも雨も弱酸性ですし。そのため日本で栽培される植物の多くが弱酸性の土壌を好みます。
例外があるとはいえ、ひとまず中性~弱酸性の環境を良しとすることで話を進めていきます。
3COINSのセメント鉢は大丈夫なのか?
最初にも書いたとおり、ほとんどのセメント鉢はアルカリ性が中和されていて問題がないと思っていました。実際私がこれまでに使っているセメント鉢は、問題なくサボタニが育っています。
セメント鉢は問題ないという認識だったのですが…
衝撃の画像が知恵袋に…。
スリコのセメント鉢の石灰分が水と反応し結晶化しています。もうびっしりと。…この前買った鉢と同じヤツじゃん!!
この状態=アルカリ性かどうかはわかりませんが、
ヤヴァい香りがします。
リトマス試験紙が無い!
そこでBOTANICAL JOURNALさんよろしく、購入した3COINSのセメント鉢のアルカリ性を確かめます。
まずは試験のためのリトマス試験紙を…
売ってねぇ!ホムセンとドラッグストア×3、100均×2探したけどリトマス試験紙売ってねぇ!
一瞬諦めかけましたが、そこは現代日本。インターネットの叡智を結集させます。
「リトマス試験紙 代用」で検索!
大人の探求心なめんなよ!
リトマス試験紙の代用
そしてたどり着いたのがコチラのサイト。
ウコンを使って代用です。
ちなみにリトマス試験紙の代用は他にもあったのですが、
ウコン(ターメリック)はアルカリ性にしか反応しないらしいので、上記のサイトでは重曹からつくる炭酸ナトリウムを併用して、2種類の代用試験紙をつくっています。
ですが、重曹は他にあまり使い道がありません。今回はアルカリ性を調べることが重要なので、ウコンのみでリトマス試験紙の代用とします。PHが調べられないので、このままではタイトル詐欺になりますが、ここはひとつ、謝っときます。ごめんね。
ウコンで代用リトマス試験紙を自作する
さっそくウコンを…ウコンが家にない!2か月前に切らしていました。
そう、ウコンが無くても(ルーがあれば)カレーは作れる!…そうじゃなかった。本題は。
ウコン買ってきました!
これをぬるま湯で溶きます。
ウコン水の完成です!これにキッチンペーパーを5分ほど浸します。
ウコン水に浸したキッチンペーパーを4時間ほど乾燥させます。乾燥させたのがコレ↓
これをリトマス試験紙風に切って完成です。
リトマス試験紙代用ウコン紙完成です!ただしアルカリ性試験のみ!
試験結果
まずは、完成したウコン紙がホントにアルカリ性に反応するのか確かめてみます。
石鹸水を付けてみました。ウチの石鹸はアルカリ性です。
おぉ…。赤色に変色しました。黄色いウコン紙はアルカリ性に反応することで赤色に変色します。
このウコン紙、性能は問題ないようです。次、本題。
かつてキウイフルーツが入っていたバケツにスリコのセメント鉢を8時間浸けておきました。
この水をウコン紙に染み込ませます…
…アルカリ性ではないですね。変化なしです。
明らかに違いますね。左がスリコ鉢水。右が石鹸水です。
ちなみに各水に直接ウコンを投入した方が簡単じゃないかと思って試しましたが、濃度の問題?なのか変化がよくわかりませんでした。試験はウコン紙で行いましょう。
もしアルカリ性だったら
今回のスリーコインズのセメント鉢はアルカリ性ではありませんでした。
もし、アルカリ性だった場合は酸性のミョウバンを使って中和(ネットではアク抜きって言われてる)します。
- ミョウバン(スーパーの調味料売り場や漬物用品売り場に売っています)小さじ1程度を1リットルの水に溶かし、鉢を1日浸けます。
- 鉢を取り出した後洗い流し、今度は普通の水に1日浸けます。
- 鉢を取り出して完了です。
これでアルカリ性を中和できるはずです。
長文お付き合いいただきありがとうございました。
それでは。
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