テラリウムのソイルを考える:もすレコ。備忘録

これまでいくつかテラリウムのポストをしてきましたが、今回はテラリウム内の土(ソイル)を自分でブレンドする場合を考えてみたいと思います。

テラリウム
テラリウム

そもそも苔とは

ソイルのことを考える前に、まず苔について触れたいと思います。知ってるよって方!お付き合いください。それと、よく「コケ」と呼ばれちゃう、水槽などのガラス面につく緑や茶色のアレ。藻なので菌類です。コケ植物とは異なりますのでご注意を。

苔植物は一般的な種子植物に比べると原始的な植物で、種子をつくりません。繁殖は胞子で増える(有性繁殖)ほか、分裂して増え(無性繁殖)、種類によりこの二つ、あるいはそのどちらかで繁殖します。そのため花を咲かせません。水や栄養を吸い上げる維管束がないのが特徴で、種子植物のように水や栄養を吸い上げる根もありません。

苔の根は仮根と呼ばれ、何かに活着(張り付く)するためだけの器官で、水を吸い上げるわけではありません(しかも種類によっては仮根さえ出さない)。

じゃあどうやって生きているんだ?ってなりますが、苔は体全体から水分を吸収し光合成で生きています。光合成で生きますが、ほとんどの種類の葉細胞が単層で薄いため、直射日光に弱いです。また、水分を吸収するといっても、水を直接吸収するわけではなく、空気中の湿度から水分を吸収します。つまり、苔の栽培には湿度が必須というわけです。

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テラリウムの仕組みを考えてみる

苔に必要な湿度をどう維持するか?が苔栽培のキモなわけですが、普通の鉢植えだとその湿度は部屋の湿度とあまり変わりません。

そこでテラリウムの登場です。テラリウムは元々は植物の長期輸送のために考案されたものです。容器を密閉することで水分の発散を防ぎ、容器内の湿度を保ちます。

高い湿度が維持されるテラリウムは苔を育てるのにぴったりなわけです。

テラリウムに求められるソイルとは?

種子植物のように根から水や栄養を吸い上げる場合の土には、保水性と保肥性が求められます。いっぽう苔の場合は水分と栄養を吸い上げる根がないので、土に保水性も保肥性も必要ありません。テラリウムの場合は密閉空間なので、土に水分があることよりも、テラリウム容器内全体にどのくらいの水分があるかが重要だと私は考えています。

じゃあテラリウムに使う土、ソイルは何でもいいかっていうとそうでもなくて、いくつか満たさなければいけない条件はあると思います。

  1. 排水性と通気性…極端なことを言えばテラリウム内にキチンと水分があれば、ソイルは湿っていなくてもいいと思います。まぁ、テラリウム内が湿っていれば、ソイルも必然的に湿りますが。
    むしろ、ソイルがビショビショになっていると調子を崩す苔もいるので、ソイルには排水性と通気性が求められると思います。
  2. 有機養分を含まない…肥料や腐葉土などの有機養分が入ったソイルはNGです。苔は肥料が不要でかつテラリウムは閉鎖環境なので、有機養分が排出されません。そのため有機養分がソイル内にあるとカビと藻が生えます。藻は苔にとって無害ですが美観を損なう上、そもそもカビは苔にも有害なので生やしたらだめです。
  3. 保水性…苔の生育にも、テラリウムの環境にもソイルに保水性は必要ありませんが(↑上にもいらないって書いたけど)、保水性が全くないとソイルが振動で動きます。場合によっては苔の活着に悪影響が出るので、多少の保水性があった方がいいです。
  4. 粒が小さい…栽培に影響は全くないです。ですが、テラリウムは小さい容器だし、苔も一株が小さいので、ソイルの粒は小さい方がいいです。見た目もいいですし、植え付けもしやすいです。ただ粒が小さいと、ガラスに飛んだ水しぶきを拭くウエスにくっつきやすくなります。また、粒が小さい方がいいといっても、黒土のように粒が小さすぎるもの(粘土質の土とか)は避けましょう。

条件としてはこんな感じでしょうか。

そこらで採ってきた庭の土とか絶対にやめましょう。

もすレコ。のソイルレポート

と、こんな感じの条件からこれまで使ったことがあるソイルをレポートしてみます。基本的にどのソイルも使う前にすすいで微塵を洗い流してから使いましょう(テラリウム内が汚れるため)。

ヒノキゴケ
ヒノキゴケのテラリウム。川砂+矢作砂+桐生砂+赤玉土(ほんのちょっと)。見た目はいい感じ。
  • 赤玉土(小粒)…良いです。保水性も排水性もあって良い。ただ、小粒だとデカいです。細かい目のふるいにかけて、細粒に分けたものを使うとかなりよいです。使っていくうちに粒が崩れて排水性が落ちますが、テラリウムだとそんなに栽培に影響ないです。ただ見た目がつちっ~って感じなので、土の生々しい感じが嫌いならば使わないか、少量にしましょう。
  • 日向土(小粒)…軽石です。苔の生育的には全く問題ないです。多孔質なので苔の活着はメッチャいいです。ただ、問題もあって軽石なので水に浮きます。そのため、ソイル内に水がたまったとき、浮力が働いてソイルが動きます。水やりの量を調整すれば使えます。むしろ生育自体はいい感じでした。
  • 川砂、矢作砂、朝明砂…良いです。通気性と排水性バッチリです。朝明砂はちょっと粒が大きいかな。なんなら砂だけでもいいんじゃないかって思うぐらい良いです。ただ、保水性がほとんどないので、振動で砂が動きます。やや湿らせ気味にすれば動かなくなりますので、乾燥注意です。
  • 桐生砂…良いです。上の砂に比べて若干ですが保水力があります。ですがやっぱり振動でソイルが動きます。

ここからは使ったことがないけど使いたいソイル。

  • 硬質赤玉土または焼成赤玉土…いわゆる二本線が硬質赤玉土で三本線が焼成赤玉土です。商品パッケージに書かれている赤い線の本数。園芸用土のイワモトさんの商品ですね。無印の赤玉土より硬く、水分によって崩れにくい!赤玉土よりも保水性が悪いらしいですが、テラリウムなら問題なし。細粒を使ってみたい!でもウチに無印の赤玉土がまだ余ってる!
  • ゼオライト…根腐れ防止剤です。水質を保ってくれるらしいです。鉢物には使ってますがテラリウムにはまだ。
  • バーミキュライト…保水性が高く、無菌無栄養。小袋で売ってれば使ってみたい。でももうウチには用土の置き場がない!

じゃあ何がいいのか?

上にあげた条件を満たせばお好みでいいと思います!(適当!)販売されているテラリウム専用ソイルならば間違いはないと思います。私個人の好みでいえば燻炭の入っていないものをお勧めします。

今後、もすレコ。ではふるいにかけた川砂+矢作砂+桐生砂+赤玉土(細粒)にゼオライトを底に引いてテラリウムをつくってみたいと思います!

それでは。


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