やはりコツボゴケテラリウムに雄花盤はできなかった。未成熟で散る…ッ!!

こんにちはこんばんは。以前から育てているコツボゴケのテラリウム。冬を超え、春を超えて梅雨を超え(ついでに夏も超えたけど)、コツボゴケテラリウムはどうなったのか?雄花盤(造精器)と造卵器ができる季節を超えたけど?今回はそんな記事です。

コツボゴケの蒴、未成熟で散るッ…!!テラリウムで蒴は難しい。
生長期を迎えたテラリウムのコツボゴケたち。去年末~今年の初めぐらいにできてきた蒴(さく)がどうなったのか?コツボゴケの蒴の生長記、最終章です!結論は…やはり適度な温度と一定の湿度が保たれているテラリウムで、胞子での繁殖は難しいのではないかと思います。苔の種類にもよると思いますが。

しかし、本当に彼らはコツボゴケなのか?
いつもはライトな書き口を意識してますが、今回は苔に関するディープな、苔の同定(この種類だよっ!て見極めること)の話です。結論は顕微鏡が無きゃわかんねぇよ。ですが。苔の世界は奥深くて、あんなに小さな彼らにもドラマがあります。研究や生産を生業としているような、専門家の方がたくさんおられる、「苔」の深淵に素人なりに切り込んでみたいと思います。

コツボゴケのテラリウムを育ててみた!
コツボゴケの生態と育て方の記事です。コツボゴケは川や滝の周辺、森林や公園、街中など木漏れ日のさすような木陰や、直射日光の当たりづらい日陰に自生します。テラリウムの置き場所は明るい日陰、水やりは季節によって1~3週間に一回霧吹きで。ソイルが乾いたらしっかりと水を含ませてください。

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もうテラリウム作成当初(ブログ開始前)のかわいさは微塵もありませんが、順調に育ってはいます。仕立て直した方がいいんかなぁ…

コツボゴケ
コツボゴケ

苔の繁殖方法

この記事を書いているのは完全に梅雨も終わった8月(もう10月ですが…)。多くの苔は湿度の上がる梅雨時期が生長期です。その梅雨時期を含め、春、秋に繁殖行為する苔が多いように思います。過去にも苔の増え方については触れていますが、今一度おさらいです。

あ、グーグルアドセンス(のセンシティブな表現の)対応のため当ブログでは”繁殖”という言葉を使っています。気にしすぎかもしれませんが、念のため。

  • 無性繁殖
    苔の雌雄に関係なく、株単体で増える繁殖方法。苔の一部から発芽し新たな株をつくる。
    • 脇芽で増える
      苔の株元などから新芽を出し新しい苔が生えます。地下茎(一次茎)から新芽をだし増える種類もあります。コツボゴケは匍匐茎(後述)が異物に接触し、活着することで新芽を出します。
    • ちぎれた苔から生える
      何らかの理由でちぎれた苔の一部分から新芽を出し繁殖します。人工的にある程度の大きさに分割した苔をソイルに刺し(または置き)、苔を増やす方法を葉刺しといいます。
    • 無性芽
      苔の自然繁殖方法のひとつ。意図的にちぎれやすくなった形状の苔の一部がポロっと落ち、そこから新芽を出す繁殖方法。そのちぎれた苔を無性芽といいます。苔がちぎれるのは外部的要因でおこる無作為なことですが、無性芽による繁殖は苔が意図的に行う戦略的な繁殖方法です。
    • マキゴケ撒き苔)
      人工的な苔の繁殖方法のひとつで、乾燥させた苔をちぎりソイルに撒く方法です。そのあと、適度に水分を与えることでちぎれた苔から新芽を出し繁殖します。少ない量の苔を手早く増やす方法です。一度乾燥させることで、その後の発芽と生育が良くなるといわれています。
  • 有性繁殖
    苔の精子と卵子が受精することで、胞子をつくり発芽することで繁殖する方法です。精子をつくる器官を雄花盤、卵子をつくる器官を造卵器といいます。苔の種類によって雌雄異株と雌雄同株の場合があります。また、苔の胞子の入った袋、胞子嚢のことを蒴(さく)といいます。蒴は苔の種類によって形状が異なります。

苔はいずれかの方法で増えます。胞子をほとんど作らず、無性繁殖だけで増える種類もあれば、無性有性両方で繁殖する苔もいます。

コツボゴケは後者。無性繁殖、有性繁殖の両方で増えます。ちなみにコツボゴケは雌雄異株。よく似たツボゴケは雌雄同株です。ウチのコツボゴケは正直、ホントにコツボゴケかはわからなくて、もしかしたらツボゴケかも…。

コツボゴケの生態

そのコツボゴケですが2種類の草体をもち、蔓のように横に伸びる匍匐茎(ほふくけい)と茎が垂直に立ち上がる直立茎(ちょくりつけい)があります。全然姿の異なる草体2種類を合わせてコツボゴケになります。

匍匐茎と直立茎
左:匍匐茎と右:直立茎

この2種類の草体には明確な役割の違いがあって、横に伸びる匍匐茎からは新芽が出てコロニー(群生)を広げる役割もち、いっぽうの直立茎は株先に雄花盤や造卵器をつくり有性繁殖をする役割があります。

コツボゴケの無性繁殖は年中新芽をだして増えるのでいいんですが、今回の記事で問題にしたいのは直立茎が行う有性繁殖の方。

コツボゴケの繁殖スケジュール

有性繁殖を行うコツボゴケのスケジュールはこんな感じになります。

春:たぶん2月~5月頃に蒴から放出された胞子が着生し、原糸体と呼ばれる苔の元ができるころ。

梅雨:たぶん6月~7月頃。直立茎から雄花盤や造卵器ができ、成熟、受精する。

冬:11月末~2月頃。蒴(さく。胞子嚢)ができ始め生長を開始。蒴は春に成熟。

みたいなスケジュールでコツボゴケは1年をかけて有性繁殖を行います。※たぶんって書いてあるのはウチのテラリウムでうまくいかなかったから。

一般的にテラリウム環境では(環境的な)刺激が少なくて、繁殖器が成熟しないといわれています。私の育てているコツボゴケは去年の8月に野生株を採取したものです。採取時には受精していたようで、テラリウムですが蒴ができました。

コツボゴケのテラリウム
コツボゴケのテラリウム

このびよーんと伸びてるのが蒴柄、先についてる丸っこいのが蒴です。

ただこの蒴、テラリウムではやはり刺激が少ないらしく、膨らみきる前に枯れてしまいました。5月のことです。

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繁殖器が未成熟で散る…ッ!!

今年の梅雨本番。スケジュール的には雄花盤や造卵器ができるころです。テラリウムで繁殖器の成熟は難しい…わかってはいても淡い期待をしていたんですよぉ。

コツボゴケ
コツボゴケ。7月中旬のが画像

繫殖器をつくっていたと思われる、

直立茎の先だけ枯れました。先っぽだけ茶色くなってます…

他の要因も考えられますが、例えば病気であればもっと範囲的に広がるはずだし、そもそも直立茎の株先だけ枯れるのは不自然です。

やはり成熟しませんでした。

あ、でも苔の種類によっては、空気を読まずテラリウムでも蒴をつくってしまう種類がいます。

うーん。雄花盤と造卵器ができれば、もっといえば雌雄異株か同株かが分かれば苔の種類が絞り込めたんですが、ダメでしたね。

コツボゴケ
コツボゴケ

結論:テラリウムで蒴は難しい。(コツボゴケの場合)

しかし、増えたなぁ…。どうしようコレ…。

それでは。


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